筆者が実際に受けた各社模擬試験の解説
2021年の社会保険労務士試験まで4か月と少し。各予備校が揃って、模擬試験のスケジュール発表と申込を行っております。そこで、まだ社労士模擬試験を受けたことがない方向けに、私が実際に社労士受験生(2018年、2019年)の時に受けた予備校模試の特徴を解説していきたいと思います。
LEC(株式会社東京リーガルマインド)
問題のレベル
公開模試3回+ファイナル模試とも、若干易しい~本試験レベルに近い
特徴
・ 解答解説本が1ページにつき1題掲載されているため、答え合わせと復習がしやすい(択一式)。
・ 問題数から換算すれば一番コスパが良い。
TAC(TAC株式会社)
問題のレベル
中間模試は若干易しい。公開模試は本試験レベルよりやや難しい。
特徴
・ 公開模試の択一は、救済可能性ありとした問題構成作りをしてくる(2019年は雇用保険択一が全体を通してかなり難問揃い)。
・ 問題文の書かれ方が一番本試験に近い。
資格の大原
問題のレベル
2回(公開模試Ⅰ・Ⅱ)とも、科目ごとの難しさに差をつけてくる印象。とりわけ、毎年「選択・労一」は大穴狙いのテーマで出題してくる。
特徴
・ 労一の選択式問題が毎年良く考えられている印象。ノーマークなら0点を取る可能性があるが、もし本試験でそのテーマが使われれば合格へ一気に近づく?!
模擬試験の有効な使い方
最低でも1回は会場受験したい。
選択式(80分)→昼食→択一式(210分)の流れを感覚的に掴んでおくためにも、現在は大変な状況ですが、最低1回は予備校を会場にした受験を利用しておくことをお勧めします。
選択式が問題によっては時間が余ること(余ってしまうことで正解として選んでた肢を変えてしまう雑念が生まれることも…)。択一式のペース配分やトイレ休憩の挟み方を会場受験を通して練習しておきたいです(水分補給については模擬試験では何も言われませんが、本試験では無断で飲むことは禁止されています)。
カフェなどでも会場受験の代用はできますが、同じ試験に向き合っている人と一緒にいる状況を用意できるものではないですので、最低1回、出来れば2回は会場受験しておきたいところです。
会場受験の機会があれば、自宅受験は時間を気にしなくてもOK
会場受験の申込が出来ているのであれば、自宅受験の模試についてはあまり時間にとらわれなくてもよいでしょう。
私の場合は、2019年の受験生の時、TACで会場受験、LECと大原で自宅受験を選択しました。あとはide社労士塾の模試と通信講座でクレアールを利用していましたので、それに付属する模試を自宅で行いました。
自宅受験の場合は、午前中に選択式をする(時間は気にせず出来れば終わり)。→昼食をとる。→午後に択一式をするのですが、一問一答形式で労基から順番に解いてました。一問ずつマークシートを塗りつぶしたら、即答え合わせ。と言った感じです。正解なら次へ進み、間違っていればテキストで振り返って、マーカーで論点を塗り、余白にメモ(例えば、大原模試Ⅰ2-A 等)を書く・・・この流れで70問続けました。正解だった問でも正解肢以外の肢について、どの部分が誤っているのかを解説本と照らし合わせて、間違った覚え方をしていないか都度確認をしました。
この方法で学習を続け、6月と7月の日曜日は模擬試験漬けで終わった記憶があります。
できれば、1日で1模擬試験は終わらせておく方が良いかもしれません。当日か翌朝にはマークシートを予備校に郵送して区切りをつけましょう。
合否判定は気にしない
当然ですが、1科目でも選択式で2点以下を取ってしまうと合否判定はB以下になることが多いので、あまり気にしないことです。大事なことは予備校で出題された部分は必ず本番までに定着させるようにしましょう。
模擬試験はどのくらい受ければ良いか
前述した3つ(LEC,TAC,資格の大原)は受けておきたいところです。予算の都合で1つくらいしか受けられない。と言った場合はLEC→TAC→大原の順番でおすすめです。予算はあるが時間が取れないと言う場合は、申込をして選択式だけでも全問題に目を通し、解くようにしましょう。
気を付けたい点
模擬試験は各予備校とも、近年に法改正があったところを中心に出題をしてきます。そのため、復習に模擬試験を解きなおすことに偏りすぎると過去問対策が疎かになる可能性があります。2020年の選択式労基の1問目、寄宿舎の問題は、そのあたりを上手についてきていると思います。特にここ数年は法改正にかかる問題がほとんど本試験では出題されていませんので、過去問対策にも時間を使うようにしましょう。