【問4】労務管理その他労働に関する一般常識
解説
労働者派遣法と最高裁判例、最低賃金制度からの出題でした。今年の労一も質、難易度とも丁度よい設定で現場での推理(まさに一般常識)で正解できる良問だったと思います。
各肢の解き方
「A」「B」に関しては、大日本印刷事件の判例からの出題でした。有名な判例として、テキストに掲載されていると思います。労働基準法の解雇をテーマにした部分で載っているかも知れません。
判例を読み込んでいなくても「A」に関しては⑭~⑰の内、⑭と⑯は前後の文章の繋がりとしておかしい。残り⑮と⑰を比較して、⑮が文脈として合わなさそうと推理して⑰を選択出来れば良いでしょう。「B」に関しても⑦~⑩の内、要は会社側が全く予想もしていなかった事態が発生した場合に限り採用内定を取り消せるということを問題の主旨として推理できれば⑧が一番妥当な文章であることがわかったのではないかと思います。
「C」は、過去問でも出題されているので基本中の基本としておさえておくべき点でした。
この問のとおり、③・3が正解となります。
「D」は難しめの問題です。特定最低賃金については、その不払いについて最低賃金法の罰則は適用されないこととなりますが、賃金の全額払違反(労働基準法24条違反)となり、罰則(罰金額上限30万円)が適用されるので、正解は⑳の労働基準法となります。
「E」は、暗記されていた方もいると思いますし、感覚として、最低賃金は都道府県ごとに発表される→⑫の都道府県労働局長と正解にもっていっても良いかもしれません。
目標点数
【問5】社会保険に関する一般常識
解説
「船員保険法」「高齢者医療確保法」「確定給付企業年金法」と前年に続いて「児童手当法」、また令和4年版厚生労働白書からも出題され、1問1テーマの問題構成となりました。
各肢の解き方
「A」は船員保険法の傷病手当金についての出題で、健康保険法や労災保険法との横断整理でおさえておくべき基本的内容でした。⑧・3年となります。
「B」も基本的な内容で、平成20年の選択式・社一でも出題実績があるため、ここも⑩の40歳と問題なく正解したいところです。
「C」は条文穴埋め問題となります。正解は⑱・財政の均衡を保つことですがダミー肢もそれっぽいのが多く難しめの問題でした。
「D」は問題文にはいろいろと書いてはいますが、単に中学生の子1人をもつ一般家庭の児童手当はいくらと言う問題で⑬の10,000円となります。
「E」は令和4年版厚生労働白書からの出題で、正解は②・5.5でしたが、ズバリこのブログで取り上げた論点が出題されました。
気になる数字部分について、さらっとでも目を通しておけば正解できた可能性のある問題でした。奇抜な部分の出題ではなく絶妙なレベルの出題だったと思います。
来年(2024年)の出題としては微妙ですが、再来年(2025年)あたりの出題となると今度は2040年問題がキーワードとして重要になってくると思っています。2040年問題絡みの厚生労働白書の記載内容はこれからの受験生は要チェックな論点となるでしょう。
目標点数
救済の可能性について
労一
「A」「B」は現場での国語力で初学者の方でも1点は取ってきそうな問題。「C」か「E」も正答率はそれほど低くならなそうなので2点以上の受験生は多い印象です。厚生年金法の次に救済の可能性がある科目とは思っていますが、現状では救済の可能性はなしと考えています。
社一
社一は、昨年に比べると基本的な出題も多く、3点以上は取れる内容で、初学者の方でも2点は取れる構成だと思いますので救済の可能性はなしと考えています。