第54回 社労士試験 選択式解いてみた(健保・厚年・国年)

社労士試験
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【問6】健康保険法

解説

 特定適用事業所に勤務する短時間労働者の要件、選定療養、保険者選択届が論点となり、5問中、4問で数字を問われ、記憶力が試される構成となっていました。どの問題も択一式過去問で1度は出題されたことのあるものでしたので、なじみがある、とは言わないまでも対策を立てていればそれほど難しい問題ではありませんでした。

各肢の解き方

 「A」は短時間労働者の要件についてですが、ここは必須のキーワードとも言える部分が抜かれました。平成29年の択一式でも出題されているため、選択式対策を取られていた方も多いのではないかと思います。迷わず⑮の88,000円以上を選びたいところです。
 「B」「C」は選定療養がテーマで、出題内容としては厚生労働省告示からなのですが、択一式で平成20年代に何度か出題されていた部分なので、過去問対策を10年分以上の範囲で学習されていた方は解けたのではないかと思います。「B」には⑪の200以上、「C」は⑩の180日が入ります。
 「D」「E」は保険者選択届がテーマでした。これも過去に出題実績がある部分でした。

平成23年 問7-C
 被保険者(日雇特例被保険者を除く。)が同時に2以上の事業所に使用される場合において、保険者が2以上あるときは、その被保険者の保険を管掌する保険者を選択しなければならない。その方法は、同時に2以上の事業所に使用されるに至った日から10日以内に、所定の事項を記載した届書を、全国健康保険協会を選択しようとするときは厚生労働大臣に、健康保険組合を選択しようとするときは健康保険組合に提出することによって行うことになっている。 → 〇

 あと、平成22年にも、2以上の事業所勤務の届出は5日以内の提出かどうかを問われていて、誤りの肢とする過去問も出ています。

目標点数

数字部分で3点を確保し、+αで4点目を取りたい。

【問7】厚生年金保険法

解説

 産前産後休業期間中の保険料徴収の特例、遺族厚生年金の支給停止の事例問題、令和4年4月からの法改正である65歳未満の方の在職老齢年金制度、事後重症による障害厚生年金とさまざまな分野から出題されました。Cの事例問題は時間を使ってでも親族関係の図を書いたほうが頭の整理がしやすいと思います。

各肢の解き方

 「A」「B」はよく出される期間(…から…まで)問題でした。例外的なパターンは聞かれていませんので、育児休業でも産前産後でも同じ、と言うことを記憶しておけば、「A」は⑤の開始した日の属する月。「B」は⑯の終了する日の翌日が属する月の前月を入れられると思います。

 「C」は事例形式で国民年金の知識も絡む難易度が高い問題でした。

 このように基本形を書き、各種条件を加えていく方法が良いでしょう。Y(後妻)とw(前妻の子)は生計を同じくしていないため、Yが遺族基礎年金の受給権を有さず、wにのみ遺族基礎年金が支給されるため、⑱に遺族厚生年金が支給されることとなります。
(親・子と分別するため、あえて子どもに関しては小文字で表現しています。)

 「D」は、在職老齢年金の法改正部分からの出題で、法改正により計算がシンプルになったため、覚えやすかったですし、さらっと目を通しておくだけでも試験本番では解けたかなと思います。
日本年金機構のホームページより、支給停止額= (総報酬月額相当額+基本月額-47万円) ×1/2×12となっており、×12の部分は今回月額のため考慮しないため、(41+10-47)×1/2=2で⑨の月額2万円と導き出せます。

 「E」は私が受験した令和元年の択一式(問3-A)で論点になった部分が出題されました。

 傷病に係る初診日に厚生年金保険の被保険者であった者であって、かつ、当該初診日の属する月の前々月までに、国民年金の被保険者期間を有しない者が、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかったが、障害認定日後から65歳に達する日までの間に、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至った場合、その期間内に、障害厚生年金の支給を請求することができる。
 → ×
 「65歳に達する日までの間」ではなく、「65歳に達する日の前日までの間」が正解。

 誤りとなる肢の部分がそのまま選択肢となり、また3年前の過去問からで、かつ前日とか翌日とかのわずかな差を問われてもいませんでしたので、解答はしやすかったのではないかと思います。

目標点数

3点、もしくは4点

【問8】国民年金保険法

解説

 障害基礎年金の支給停止、寡婦年金、国民年金基金の業務、被保険者への情報提供(ねんきん定期便)について出題されました。「C」は少々マイナーな条文ですので、解けなくても仕方ない肢だったと言えます。

各肢の解き方

 「A」は難しく考えずに、⑪のその障害の状態に該当しない間(←そりゃそうだよね)をシンプルに選びたいところです。
 「B」は寡婦年金としての数字として覚えておいてほしい論点でした。(④4分の3
 「C」は国民年金基金の業務が論点になっている過去問はいくつかありますが、条文の穴埋めまで対策されている方は少なかったと思います。⑮の福祉を増進するが正解ですが、ここは間違えても仕方ないでしょう。
 「D」「E」は反対に条文穴埋めでも両方正解したいところです。法14条の5は、各予備校でもかなりの頻度で選択式の模擬試験を作成しています。どこが抜かれても良いように対策しておく必要があります。

 厚生労働大臣は、国民年金制度に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上させるため、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとする。

目標点数

3点、もしくは4点

救済の可能性について

 今回の3科目については、満点を取るのは難しいものの、3点確保しつつ、出来れば4点目を取りたい問題構成でした。同じ論点から2題出されている部分で取りこぼしがないように注意したいところです。
 今年の健保・厚年・国年については救済がかかる可能性は低いと考えられます。

この合格予想基準は、管理人独自の見解です。合格ラインや救済科目についてのお問い合わせ等は承っておりませんので、ご了承ください。

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