社長が交代になった時の手続について

開業

 社員(従業員)が入退社する時については、いろいろな解説サイトがありますが、もし社長が交代した場合はどのような手続きをする必要があるのでしょうか。
 ここでは「社長・代表取締役が交代になった時の手続き」を一覧にしてみました。レアケースだとは思いますが参考になれば幸いです。

 当ブログのカテゴリは『社労士』→『開業』としていますが、各手続きを代理、代行で行う場合は司法書士や税理士の分野となるところもありますのでご注意ください。

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モデルケース

 大阪市東住吉区内にある株式会社の代表取締役が、7月1日をもって交代(旧代表取締役は当該会社に留まらずに辞任し、新代表取締役が同日から就任/就任前は国保、国民年金の加入であり、就任に伴い、当該会社の健康保険、厚生年金に加入する。)

法務局・登記の変更

 一番最初に準備を進めるのは法務局へ提出する登記変更の手続になるでしょう。手続き完了後、新代表取締役の名前が入った「履歴事項証明書」は、別の申請の際に必要となってきます。

必要なもの

・ 登録免許税:額面10,000円の収入印紙1枚

・ 新代表取締役の印鑑証明書
 (マイナンバーカードがあるとコンビニ等で発行できるので便利です。)
 (印鑑証明書は発行から3か月以内のものに限ります。また、登記変更日が7月1日だった場合、印鑑証明書の発行日について7月1日以降にこだわる必要はなく、6月中に発行したものでも問題ありません。)

・ 会社実印・新代表取締役実印、認印・旧代表取締役認印(登記変更書類に押印するため必要)

※ 株主の保有株式割合によっては、株主の認印なども必要になってくるかも知れません。

提出方法・提出期限

* 法務局(上記ケース(大阪)の場合は、「大阪法務局 商業・法人登記係」へ窓口持参か郵送)

* 登記事項に変更が生じてから2週間以内

 書類作成を代行してもらうには司法書士に頼むのが一般的ですが、登記申請のオンライン支援サービスを利用するのも一つの方法として検討するのも良いでしょう。
オンラインチャットやマニュアルが整備されており、作成手数料も”役員変更”の登記変更であれば、10,000円(法務局へ送るキット一式・履歴事項証明書郵送などのオプションを付けるとプラス10,000円)程度の費用で済みます。

税務署(法人税・消費税)

必要なもの

・ 異動届出書

※ 異動届出書以外の添付書類はありません。

提出方法・提出期限

* 所轄税務署に持参、もしくは郵送

* 異動年月日(登記年月日)から速やかに(期限の日にちは特に定められておりません。)

※ 郵送の場合は、受付印が押された用紙の控えを返送してもらう用として、切手貼付済の返信用封筒を同封する必要があります(それがないと返送してもらえません)。

※ 異動届出書の下部にある「税理士署名押印」の欄については、税理士が作成、提出を代行する場合に記入が必要ですが、会社の方が作成した場合は空白で構いません。

書き方サンプル

こちらのPDFファイルを参照(当ブログ内に保存しているファイルを新しいウィンドウで開きます。)

各市町村(住民税の特別徴収から普通徴収の切替)

必要なもの

・ 給与所得者異動届出書

※ 各市区町村のホームページから様式をダウンロードが可能なところもあります(PDFファイルやエクセルに入力したものを印刷できる機能が備わっている場合もあります)。

※ 普通徴収に切り替わる方のマイナンバーを記入する箇所があります。

提出方法・提出期限

* 各市町村の窓口(法人税務課、特別徴収担当等)へ提出か郵送

* 異動があった月の翌月10日まで

書き方サンプル

こちらのPDFファイルを参照(当ブログ内に保存しているファイルを新しいウィンドウで開きます。)

日本年金機構(健康保険・厚生年金の資格取得、喪失届)

必要なもの

【代表者変更】 → 「事業所関係変更(訂正)届(処理票)」

【旧代表者の資格喪失】 → 「被保険者資格喪失届」

【新代表者の資格取得】 → 「被保険者資格取得届」

【新代表者の被扶養者に関する届】 → 「健康保険被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者関係届」

提出方法・提出期限

 発生から5日以内に、会社所在地管轄の年金事務所に提出、もしくは日本年金機構の各事務センターに郵送

年金事務所に提出した場合でも結果的にはそこから日本年金機構の事務センターに郵送されるので、各事務センターに直接郵送した方が処理としては早くなります。

書き方サンプル

 すべて、日本年金機構が作成しているサンプルです(リンク先は全て外部サイトである日本年金機構になります)。

事業所関係変更(訂正)届(処理票)

被保険者資格喪失届

被保険者資格取得届

被扶養者(異動)届 第3号被保険者関係届

銀行(名義変更)

 通帳名義が「株式会社〇〇」と言う記載のみであっても、代表取締役が変更となった場合は手続きが必要になります。取引銀行によって記載書類が異なりますので、事前に銀行窓口にて必要書類を取得しておくと良いでしょう。手続きをする日には銀行印や会社ゴム印を持参しておくことをお勧めします。

必要なもの・提出期限

・ 登記変更の履歴事項全部証明書(原本)、及び法人の印鑑証明書が必要となります。

※ 提出期限は特にありませんが、登記変更(法務局)の手続が終わり、登記変更後の履歴事項全部証明書が取得可能になれば速やかに名義変更の手続きを行いましょう。

府民税・市民税等を管轄する事務所

 税務署だけではなく、都道府県税や市町村税を管轄する事務所にも変更手続き(異動届)が必要となります。

 管轄の事務所宛、必要書類と必要な添付書類を揃えて提出します。顧問契約している税理士等がいらっしゃれば尋ねてみると良いでしょう。

その他

 当該会社が業として行っているもの(例えば、介護事業や医療機器販売業等)で、各自治体に変更事項を届け出る必要があれば行います。

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