【問1】労働基準法・労働安全衛生法
解説
4年連続で、問Aは条文ベース、問B,Cは最高裁判例から、問D,Eは安衛法の条文ベースからの出題となりました。また今年は少なくても1回は択一式の問題文として出題された経緯があり過去問学習の重要性を再認識できた形式でした。
各肢の解き方
問Aは最低年齢の原則に関する問題で基本的事項。問B,Cは判例からですが問Bは択一式の問にもよくキーワードとして出てくる語なので、取りやすく、問Cも同様と言えるでしょう。正解の取りやすさから言えばBの方が得点源にしやすかったかも知れません。
問Dは細かな論点で似たような過去問も1度しかないため、少し難しかったと思われます。問Eは、「派遣労働者にかかる労働者死傷病報告は、派遣先および派遣元の双方の事業者が行う必要がある」こととセットでおさえていると正解しやすかったかも知れません。
目標点数
今回の出題に関する過去問
【問2】労働者災害補償保険法
解説
問A,Bが数字を問われた問題で1セット、問C,Dが語句を問う問題で1セットで、問Eが最高裁判例からの出題となりました。前年同様、基本的な問題が多く、満点の受験生も多くいると思います。
各肢の解き方
問A,Bは2022年にも選択式で出題された「併合繰り上げ」が論点で、2022年の時は長文で難解でしたが、今年は基本のキとも言うべき出題範囲でした。
問C,Dについても保険給付に関する基本中のキとされる問題でここまでは絶対に落とせません。
唯一、問Eが判例で過去問からの出題とも言えないため難しかったですが、文中に「利益」と言う言葉があるため、そこから正解肢を組み込むことは可能だったかも知れません。
目標点数
今回の出題に関する過去問
【問3】雇用保険法
解説
出生時育児休業給付金(問A,B,C)、個別延長給付(問D)、適用除外(問E)と3つの論点が出題されました。問B,Cは直近の法改正からの出題となりました。
各肢ごとに四択から選ぶ形式でしたが、受験生全体の法改正対策の進捗度や多少トリッキーな部分からの出題箇所を考えると平均点数はやや下がる可能性があります。
各肢の解き方
問Aは育児休業給付金の被保険者としての条件を問う法改正ではない部分の問い。問B,Cは厚生労働省のページを参照。問Dは「激甚災害」と「職業に就くことが特に困難」とのキーワードから120を選択出来るかがポイント(幸いにも選択肢の中で一番日数が多い)。問Eは適用除外となる勤務先を掛け持ちしても合算した条件にはならないことから少々難しいですが正解できるかも知れません。
目標点数
救済の可能性について
労働基準法は、最高裁判例と言えど、過去問演習で対策できる範囲。労災は基本中のキ。雇用保険が少しクセがある出題と思いましたが、3点以上は合格者なら取ってほしい内容だったと思います。
以上のことから、今年の3科目(労基、安衛・労災・雇用)については救済がかかる可能性は低いと考えられます。