2021年の社労士試験まであと少しです。苦手な、もしくは理解不十分な過去問確認は進んでいるでしょうか。
今日から1日ずつ、2021年選択式の出題予想を試験科目ごとに、目安として3テーマくらいに絞ってしていきたいと思います。全8回のうち、1回目は『労働基準法及び労働安全衛生法』です。
過去20年間で救済があった年(カッコ部分は実施回)
平成13年(33)、平成14年(34)、平成17年(37)、平成18年(38)、平成23年(43)
いずれの年も基準点が3点→2点へと引き下げ
傾向と対策
労働基準法は平成25年くらいから、最高裁判例が問われ始め、ここ数年は最高裁判例から1問、条文から1問出し、3つの問いを作る構成となっています。
労働安全衛生法は、「法」から1問、「規則」から1問出されるパターンが多く、「規則」からの出題はかなりマイナーな論点を突いてきます。
※ 労働基準法で2点、安衛法で1点の3点を取ることが目標となります。
出題テーマ予想
労働基準法
判例からの出題予想
コロナによる不景気から、非正規雇用や有期雇用の方の待遇について報道がよくされていることから、「解雇」をテーマにした判例や、労働契約法第20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)に関する内容が問われる可能性があります。
代表的な事件
・ 細谷服装事件(昭和35年3月11日)
・ ハマキョウレックス事件(平成30年6月1日)
・ 長澤運輸事件(平成30年6月1日)
就業規則
助成金等の申請に伴う提出書類の1つとして就業規則があります。就業規則の作成と労働者への周知に関する内容が問われる可能性があります。届出の義務や届出を怠った際の罰則(罰金)等の数字部分を確認しておきましょう。判例から問われるかも知れません。
代表的な事件
・ 秋北バス事件(昭和43年12月25日)
・ フジ興産事件(平成15年10月10日)
・ 日本シェーリング事件(平成元年12月14日)
「中小事業主」の定義
平成30年の労災保険法でも出されている論点です(その時は労働者100人以下の業種→「サービス業」が抜かれました)。
資本金の額・出資の総額が次の額以下の事業主 小売業 5,000万円 サービス業 5,000万円 卸売業 1億円 上記以外 3億円 | または | 常時使用する労働者数が次の数以下の事業主 小売業 50人 サービス業 100人 卸売業 100人 上記以外 300人 |
労働安全衛生法
「産業医」
ストレスチェックやコロナワクチンの報道で「産業医」と言う言葉がニュースで良く見かけるようになりました。「産業医」に関しては、択一式でも当然出る論点でしょうし、選択式で出題された場合は、落とせない1点になる可能性大です。
・ 産業医の職務、選任基準、巡視に関すること。
・ 労働安全衛生規則14条4
事業者は、産業医が辞任したとき又は産業医を解任したときは、遅滞なく、その旨及びその理由を衛生委員会又は安全衛生委員会に報告しなければならない。
「規則」(マイナー論点)より
コロナの影響により、換気、清掃に関することが問われるかも知れません。
・ 労働安全衛生規則第600条
事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場の気積を、設備の占める容積及び床面から4メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者1人について、10立方メートル以上としなければならない。(換気)
・ 労働安全衛生規則第601条
事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場においては、窓その他の開口部の直接外気に向つて開放することができる部分の面積が、常時床面積の20分の1以上になるようにしなければならない。ただし、換気が十分行なわれる性能を有する設備を設けたときは、この限りでない。
2 事業者は、前条の屋内作業場の気温が10度以下であるときは、換気に際し、労働者を毎秒1メートル以上の気流にさらしてはならない。
・ 労働安全衛生規則第619条
事業者は、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
1 日常行う清掃のほか、大掃除を、6月以内ごとに1回、定期に、統一的に行うこと。
2 ねずみ、昆虫等の発生場所、生息場所及び侵入経路並びにねずみ、昆虫等による被害の状況について、6月以内ごとに1回、定期に、統一的に調査を実施し、当該調査の結果に基づき、ねずみ、昆虫等の 発生を防止するため必要な措置を講ずること。