令和5年1月20日に厚生労働省からプレスリリースが出され、年金額の改定率が公表されました。
令和5年度の年金額は、法律の規定に基づき、新規裁定者(67 歳以下の方)は前年度から 2.2%の引き上げとなり、既裁定者(68 歳以上の方)は前年度から 1.9%の引き上げとなり、令和5年4月分の年金支給から増額されます。
社労士の試験対策としておさえておく論点は【年金額の改定ルール】です。改定率を決める際には、様々な「〇〇率」と言う用語が出てきて、模擬試験においても出やすい論点になっています。今回、全国社会保険労務士会連合会から出されている『月刊社労士2月号』の記事をもとに「〇〇率」の部分を選択式問題風にしました。ぜひチャレンジしてみてください。
年金額の改定率は、直近の( A )と( B )に応じて算出される。( A )は、総務省が公表した令和4年平均の全国消費者物価指数により、2.5%となることがわかった。他方で、2年度前(令和3年度)から4年度前(令和元年度)までの3年度平均の( C )は0.3%となり、前年の( A )(2.5%)と3年度前(令和2年度)の( D )(0.0%)を乗じた( B )は2.8%となった。
( B )が( A )を上回る場合、67歳以下の人の年金額は( B )を用いて、68歳以上の人の年金額は( A )を用いて改定することが法律で定められている。令和5年度はこのケースに該当するため、67歳以下の人は( B )(2.8%)、68歳以上の人は( A )(2.5%)で改定される。
だが一方で、令和5年度のマクロ経済スライドの( E )は▲0.3%となり、前年度までの未調整分(▲0.3%)とあわせて▲0.6%が適用される。その結果、67歳以下の人の改定率は2.8%から2.2%、68歳以上の人の改定率は2.5%から1.9%と▲0.6%分が調整された。
答えです。
A → 物価変動率
B → 名目手取り賃金変動率
C → 実質賃金変動率
D → 可処分所得割合変化率
E → 調整率
いかがでしたでしょうか。年金関係は受験生が苦手にする分野でもあり、もし選択式でこのような出題形式となった場合は救済措置となるパターンかも知れません。だからこそこういった形の出題でも3点(上記問いの場合はA,B,Eで3点)を確保したいところです。
また、問題文中にアンダーラインを引いた、全国消費者物価指数や、名目手取り賃金変動率が物価変動率を上回る場合・・・といった部分もおさえておいた方が良いでしょう。
さらに、用語として、問題文中は「67歳以下」「68歳以上」となっていますが、67歳以下の方 → 新規裁定者、68歳以上の方 → 既裁定者と言い方を変えられても大丈夫なように対策しておきましょう。
厚生労働省のプレスリリースに年金額の改定(スライド)のルールが図解で掲載されていますので、参考に確認しておくと理解が深まると思います。
プレスリリース内にも掲載されていますが、名目賃金の変動に応じて改定される在職老齢年金の支給停止調整額について、令和4年度は47万円であったものが、令和5年度は48万円に見直されています。
令和4年の社労士試験選択式・厚生年金保険法で、当該論点が出題されています。連続での選択式での出題は考えにくいですが、択一式で出題されることも考えられますので、48万円と言う数字もおさえておきましょう。